20. 塩素原子によるオゾン分子の分解

<アーギュメント> 成層圏でクロロフロロカーボン類の光化学分解によって生じる塩素原子は、 成層圏に存在しているオゾン(O3)と反応して、酸素分子(O2)とClOを生じる。 このClOは原子状酸素(O)と反応して、 酸素分子を生じると同時に塩素原子を再生する。 こ…

22. ナフタレンのスルホン化反応

<アーギュメント> ナフタレンをスルホン化すると、2種類の化合物が得られる。 室温の反応では、生成物はナフタレン-1-スルホン酸である。 ところが165°Cで反応させると、生成物はナフタレン-2-スルホン酸となる。 ナフタレン-1-スルホン酸を硫酸とともに180°…

18.気体定数と温度目盛

<アーギュメント> 絶対温度(ケルビン温度)目盛では、 1気圧下における水の凝固点(氷点)と沸点の差の100分の1を 1度としている。 華氏温度(ファーレンハイト温度)目盛では、 1気圧のもとでは水は32°Fで凍り、212°Fで沸騰するから、 1の温度上昇は、絶対温度目…

16. 遷移金属元素の色の由来

<アーギュメント> 遷移金属元素の化合物のほとんどは着色している。 これは、遷移金属原子やイオンが不完全に満たされたd軌道を持っているために d-d遷移が可能となるからである。 AgClやTiO2のような化合物では、d軌道は完全に満たされているか、 あるいは…

14. カルボン酸塩脱炭酸の反応機構

<アーギュメント> カルボン酸の塩類と臭化シアンは次式のように反応して アルキルニトリルを与える。 RCOONa + BrCN → RCN + CO2 + NaBr この反応のメカニズムとして、カルボン酸にシアン化物イオンが攻撃して、 COO-原子団が置換されるというものが提案され…

12. 自由エネルギー変化

<アーギュメント> 単位の対数を取ることはできない。 だから、次のような自由エネルギー変化を示す式の場合にも、 ln Kは無次元でなくてはならない。 いま、次のような反応を考える。 この場合の平衡定数はmol dm-3のディメンション(次元)をもつことになる。…

10. 過塩素酸塩の溶解性

<アーギュメント>過塩素酸ナトリウム(NaClO4)と過塩素酸カリウム(KClO4)の2種類の塩のうち、水にずっとよく溶けるのはどちらであろうか。ここで注意すべき事項は、「陽イオンと陰イオンのイオン半径が大きく違う塩のほうが、イオン半径があまり違わない塩に比…

8. 不活性電子対効果

<アーギュメント>いわゆる”不活性電子対効果“は、周期表のなかのp-ブロック元素において、下に進むほどs電子が結合に関与する傾向が著しく減少するという観察結果を説明している。この実例として次のものがあげられる。Ge(II)は強力な還元剤であるがGe(IV)は…

6. モリブデンのカルボニル錯体の安定性

<アーギュメント>モリブデンは周期表で第6族に属し、価電子を6個もっている。一酸化炭素分子は、遷移金属原子に配位するときには二電子供与体となる。いまMo(CO)7について考えると、価電子の合計は6+(7x2)=20となる。したがってMo(CO)7は安定とは考えられな…

4. アルカンの命名法

<アーギュメント(改)>分枝構造をもつ脂肪族炭化水素(アルカン)の系統的名称は、最も長い炭素鎖を基準とすることになっている。側鎖はアルキル基として表現し、その側鎖が結合している炭素鎖の炭素原子の番号を頭につけて示す。一般則として、数字ができるだ…

2.希釈したHClのpH

<アーギュメント> 水溶液のpHは、水素イオン濃度の負の対数にほぼ等しい。 塩酸のような強酸は、水のなかではほぼ完全に電離する。 そこで、もし0.1 molのHClを含む1dm3の水溶液を考えると、 このなかの水素イオン濃度は 0.1 mol dm-3となるはずだから、 こ…

化学するアタマ

ここ数年、化学に対する興味が明らかに薄れている。買った本の履歴を見ていても、ドイツに来て2年目のはじめくらいまでは化学の本が多かったがいまでは化学の本なんてほとんど買ってない。知らないことはまだまだたくさんあるけど、特に有機の授業なんか聞い…