12. 自由エネルギー変化
<アーギュメント>
単位の対数を取ることはできない。
だから、次のような自由エネルギー変化を示す式の場合にも、
ln Kは無次元でなくてはならない。
いま、次のような反応を考える。
この場合の平衡定数はmol dm-3のディメンション(次元)をもつことになる。
だから、このような反応のΔG0を計算することはできず、
ΔG0を計算する式は、反応に寄与する化学種の数が
反応系と生成系とで等しい場合だけしか使えない。
<問>
このアーギュメントに含まれる誤りを最もよく記述しているのは、
次のうちのどれか?
A 対数をとるときには単位は常に無視される。
B Kの単位は、反応系と生成系の化学種の数の比に依存する。
C 平衡定数を論じる場合、濃度のかわりに活量を用いる必要がある。
D このアーギュメントには別に誤ったところはない。
<解答>
Aが妥当かなぁ。
単位は常に無視される、というか、どうにか無次元になるように
掛けたり割ったりしなければならない。
B、Cは正しい。
だが問題は、単位のある大きさの対数をどうするかということなのだ。
Dについては、そんなはずはない。
それでは大半の反応式の自由エネルギー変化が計算できない。