18.気体定数と温度目盛

<アーギュメント>
絶対温度(ケルビン温度)目盛では、
1気圧下における水の凝固点(氷点)と沸点の差の100分の1を
1度としている。
華氏温度(ファーレンハイト温度)目盛では、
1気圧のもとでは水は32°Fで凍り、212°Fで沸騰するから、
1の温度上昇は、絶対温度目盛だと100/(212-32)すなわち
5/9度に相当する。
華氏温度での絶対零度は32-9/5*273つまり-459.4°Fとなる。

絶対零度を原点としたこの温度目盛を絶対目盛(A)と呼ぶことにしよう。
この温度目盛によると、氷点は459.4+32すなわち491.4Aとなり、
水の沸点は459.4+212つまり671.4Aとなる。
ギブズの自由エネルギーと平衡定数の関係式

 

は、どのような温度目盛を用いても成立するはずである。
だから、この絶対目盛(A)を用いて計算すると、
気体定数Rの値は14.965 J mol-1 A-1となる。

<問>
このアーギュメントが正しいものと納得できる選択肢は、次のうちのどれか?

A F=32+(C*9/5)の式に、-273°Cと定義されている絶対温度を代入したとき、
華氏温度が-459.4°Fとなることを確認する。
B ΔG0の定義を確認する。
C ケルビン温度による気体定数の値が8.314 J K-1 mol-1であることと、
8.314*9/5が14.965であることを確認する。
D 華氏温度の零度が、もともとどのように定義されたのかを調べる。

<解答>
この場合のふさわしい回答はCである。
アーギュメントはT(K)=9/5*T'(A)といっているので
ΔG=RT ln Kに代入してやればよい。

Aはアーギュメント中で既に示されている。
BもAに同じ。
Dは、それ自体は興味深いが、気体定数には関係ない。